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【本】町田康『バイ貝』『しらふで生きる』感想

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以下、過去の記述より。
カッコ内は私が読み終わった日付です。

バイ貝

(2020/4/10)
※リモートワーク3日目

お金と労働と鬱をやりくりする男の話。
売買。

 お金を使う(快楽)
   ↓
 労働(金を得るため)
   ↓
   鬱
   ↓
 お金を使う に戻る
(肉体・精神的疲労の解消)

生活の質を向上させるため、鎌(タマニホン)や鉄のフライパンを買う。でも今度は(他の製品や自身の懐具合と勘定して買ったそれが純粋な快(楽)をもたらすものではないと知って)また鬱が溜まっていく。

負のスパイラルから抜けだそうと、男は趣味になりそうなものを求めてカメラを購入。飼い犬を撮影していたが、カメラが故障してまた金が必要になってしまった。後、ラストで男は純粋な欲望からヤキソバが食べたくなる。自分で材料を買って食べるヤキソバをうまいと感じ、それによって生じた鬱を”美しい”と受け入れられる男になって終了する。

労苦と対価、そのサイクル・在り方を受け入れられた人間が、幸福になれるのだと思った。ただ、人はしばしばそれを忘れてしまい、手に入らない快を求めては諦め、そしてまた受け入れる。そんな風に繰り返してしまう。

しらふで生きる 大酒飲みの決断

(2020/8/19)
著者が断酒に至る経緯と理由、そして酒を断つことによる効用について。

以下、一~三は引用。

一、そもそも幸福である権利があるのか。
二、それは不当に奪われたのか。
三、幸福の権利の行使とはなにか。

≪他人と自分を比べることによって自分の価値を計ることの無意味を知る。≫というのは、中々にいやかなり難しい。

著者は断酒によって①ダイエット効果 ②睡眠の質の向上 ③経済的な利得 ④脳髄のええ感じによる仕事の捗りという効果を得たという。

何かを――それも自身にとって楽・快であることを――禁じる。それによって自己を律する。なんてことは、それなりのリターンがなければやれない、やってられないだろう。

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