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【映画】是枝裕和監督作品の感想

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以下、過去の記述より。
カッコ内は私が見た日付です。

歩いても 歩いても

(2013/8/4)
ある家族の夏の――また、歴史という縦の――物語。

黄色のモンシロチョウや家の戸、百日紅の花や上からの街の景色などの描きかたが巧み。

樹木希林と原田芳雄の演技が素晴らしい。

現代の個人として生きる日本人と、その母体である家族をうまく描いている。いい話にも暗い話にも傾いていないのも、好感を抱く。

ラストシーンで阿部寛がモンシロチョウの話を子どもにしていて、感動。

空気人形

(2013/9/25)
主演のペ・ドゥナは、持ち主から「のぞみ」と呼ばれるラブドール。代用品の空気人形は、恋という「心」を持ってしまう。≪私は空気人形です。持ってはいけない心を持ってしまいました。≫

誰もが空っぽである。
が、クライマックスでARATA(※井浦新)演じる純一に”空気をいれる”ことができない場面で、人形と人間の違い――人形(代用品でしかない存在)は決して何かを与えることはできない――をはっきりとうつしたのではないだろうか。

奇跡

(2013/9/25)
鹿児島と福岡、両親の離婚によって離れて暮らす兄弟(まえだまえだの二人)。新幹線がすれちがうときに起きる「奇跡」のため、半年ぶりに兄弟は再会する。

「奇跡」への願いで、自分の望みよりも世界を(弟は父親を)優先させることにした二人は、たった一日で大きく成長した様子。

火山灰や「ただいま」の言葉、描写が印象的。

大丈夫であるように ―Cocco 終わらない旅―

(2013/9/26)
歌手Coccoのライブツアーに密着したドキュメンタリー作品。

沖縄の基地や戦争の跡、ファンからの手紙で知った青森県六ヶ所村の現状、広島の原爆ドーム……生きたくても生きられなかった人、死者、生者のことをCoccoは唄う。

彼女のライブは見にきた人々をまきこんでいく。「生きろ」というメッセージとともに。

その姿は、あらゆる苦悩や不安を全部――まきこんで――背負うように見えた。

ワンダフルライフ

(2013/10/3)
主人公の望月(ARATA ※井浦新)たちは「あなたの一番大切な思い出を選んでください。期限は一週間です。その思い出だけを残して”アチラ”へ行っていただきます」と、死者を導くような仕事をしている。

子どものころの美しい思い出、親から受けた愛情、結婚した相手との日々……誰もが必死に考えた末に、”誰かとの”思い出を選ぶ。

一方、伊勢谷友介(彼は本名で出演している)のように、あえて思い出を選ばない者もいる。

ドキュメンタリーのような要素もあり、内容が内容だけに考えさせられる作品。自分の居場所や愛する人を見つけられなかった少女の成長物語でもある。

出演者たちの、飾り気のない演技が心地いい。

幻の光

(2013/10/9)
原作は宮本輝の小説。
是枝裕和監督の映画デビュー作。

大阪で暮らす若夫婦、夫(浅野忠信)はある日線路を歩いて自殺してしまう。残された妻(江角マキコ)と子は、能登へ(妻を亡くした男と娘のもとへ)嫁いで生活する。

江角マキコの映画初出演作らしい(1995年、若い)。

冒頭の大阪では陽の光や外灯の光が目につく。後半、光の描写は能登の海や風へと変化し、クライマックスでは炎となる。

この監督は、高い場所から自然や家々を映しだすカットが好きみたい。

江本明のただ居るだけな演技が良い。

花よりもなほ

(2013/10/13)
親の敵討ちを探す弱く臆病な侍(青木宗左衛門)を岡田准一が演じる。

親の敵(=伝統)と貧乏な長屋暮らし(=現状)の間に生きる宗左は、現代に生きる者と同じだ。嘘の芝居を打つことで敵(=宗左にのしかかる重み)を討ち、長屋で暮らす人々と幸福――彼らにとってそれには当然金が多く含まれる――をわけあうことを選ぶ。

加瀬亮や古田新太など出演陣が良い。
宮沢りえは美しい。

そして父になる

(2013/10/20)
TOHOシネマズ川崎で観る。
主演は福山雅治。

二組の家庭の取り替え子の話。
家族(とりわけ父親)、子育てなど考えさせられる内容。

是枝作品らしく、風景描写が所々入れられている。

現代の父親のありかたを――随所に明確なメッセージを挿しこみつつも――多様化した父親像を「これが正しい」と決めつけずに提示してくれていて良かった。

海街diary

(2016/7/10)
原作は吉田秋生の漫画。

前日のテレビ放送を録画して見る。
四姉妹を綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが演じる。

関係性(血縁と親交あるいは愛情)と生と死が描かれている。

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